オオゼキ東高円寺店と私

高円寺南5丁目に合計6年くらい住んでおり、最寄りのスーパーがここだった。家から歩いてだいたい5分。食べたいものの大まかな方向性を考えながら店へ。その日の安い生鮮品を見ながらメニューを組み立てて必要なものを買う。一番効率のいい調理手順をシミュレートしながら買える。戻ったら、差し当たりできる仕込みをすぐに終わらせる——こんな感じのルーティンを、平均してたぶん週に5日くらい、たいていは午後の浅めの時間に眠気散らしをかねてこなしていた。あのころは非常勤で都心や郊外に出て行く日を除いてはほぼすべての食事を自炊でまかなっており、そのための材料の大部分はあそこからやってきた。お金がないので友人を招いて会費をとってやっていた飲み会のための仕入れも大部分はあそこ。手ごろな値段の生鮮品を主軸に安売りに走らずにきちんとした日配品を置くというのが、少なくとも7年くらい前までの——いまどうなっているのかは近所にないので知らない——オオゼキのよさだと思うのだけど、東高円寺店には、あの狭さが生み出す独特の楽しさもあった。それが、たとえば高井戸店との違いだった。日本で一番好きなスーパーがなくなってしまう。繰り上がり1位はない。

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